おめでとう と ありがとう 。
2008年 07月 29日
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「なーコンラッド、ところであんたの誕生日って、結局いつ?」
1年ぶりに訊かれた質問に、持っていたカップの中身が揺れた。
透明な氷水の中に映った自分の顔は歪(いびつ)で表情が読めない。
「あなたと同じ7月ですよ。去年ヨザが言ったとおりの」
「それは知ってる、覚えてるって。で、7月の、何日?」
「どうして今になってまた。魔族に誕生日の概念は薄いのも覚えてますよね?
俺もこのとおり、あまり興味がなくて。おぼろげにしか把握してないんですよ」
冷静に必死で話の流れを止めようとする。
まさか色々事情があるとはいえ、それだけではなく本当に忘れてしまったとは言いにくい。
「それも知ってる、覚えてるー。
でもさー、そんだけ完璧にはぐらかされると逆に気になるじゃん。」
「いや、だから・・・えぇっと、ほんとに・・・」
じっと見つめる瞳にくらくらするが、覚えていないものは答えようがない。
何かいい方法はないだろうか。
「よーし!そっちがその気なら!決めたぞ!」
どうゆう気なんだ俺は。何を決めたんだユーリ。
「コンラッドが教えてくれるまで、7月が始まって終わるまで
毎日コンラッドに『誕生日おめでとう』って言ってやるからな!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・。」
***********************************
7月1日(火)
「おはよー!誕生日おめでとう、コンラッド!」
「ありがとうございます」
7月2日(水)
「はよっ!ハッピーバースデー、名付け親v」
「ありがとうございます・・・」
7月3日(木)
「ぐっもーにん!お誕生日おめでとうウェラー卿」
「ウェラー卿は勘弁してください、ユーリ」
7月4日(金)
「おはよう、爽やか好青年!100・・何歳?おめでとうっ!」
「何歳ですかねえ、今日は。ありがとう」
7月5日(土)
「おはよっ!今日もおめでとう!」
「おはようございます、ありがとうございます」
7月6日(日)
「お、は、よー!7月生まれを祝福しに来ましたー!」
「祝福されましたー」
7月7日(月)
「おはよう!コンラッド、誕生日おめでとう!」
「ありがとうございます。・・ほんとうに毎日言ってくれるんですね(苦笑)」
「あんたがほんとの誕生日教えてくんないからだろ?
なー、ほんとに覚えてないとか?まさかなー?」
そのまさかです。
でも、思い出したとしても、どうかな。
ユーリがこうやって毎日祝福してくれるんなら、このままでもいいかなー、
なんて思っちゃってるんですが。
うーん、明日は何て言おう、ハッピーバースデー次男!とか?
ヴォルフのおにいちゃーん、とか?
くるくる考える姿が愛らしい。
このまま祝われつづけると何歳になってしまうんだろう。
100も越えた身で今更20歳増えようが30歳増えようがさして変わりはしないけれど。
7月8日(火)
「お、は、よ(囁)。ハッピーバースデー、コンラートv」
「・・・耳元は反則です、ユーリ・・・・」
(中略)
結局毎日「おめでとう」攻撃は続いた。
ありがたいことに毎日バリエーションは違っていた。
いつしかお互いに「誕生日を言わせよう、教えよう」という名目を忘れて
今日は何を言おう、どんなふうに返そう、と思いながら朝を迎えていた。
7月29日(火)
この日だけは。
ドアを開ける音を合図に。
「おはよー!こんらっど、
「ハッピーバースデー、ユーリ」
ありったけの気持ちを込めて、誰より先に。
*******************************************
「で、結局あんたの誕生日って、いつ?」
この質問は、来年に持ち越し、ですね。
******************************
ユーリはっぴばSSでしたー。
無駄に長くなった気が・・;
次男視点で書くのはめったにないかも・・・。
最後がまとまりないですが、オチがうまいこと見つからなかったです;
あああ!恥ずかしい!甘い!人様の観る、読むのは全然大丈夫なんですが!
さてさてコンユめぐりしてきます・・・はっぴば陛下!はっぴば名づけ親!
1年ぶりに訊かれた質問に、持っていたカップの中身が揺れた。
透明な氷水の中に映った自分の顔は歪(いびつ)で表情が読めない。
「あなたと同じ7月ですよ。去年ヨザが言ったとおりの」
「それは知ってる、覚えてるって。で、7月の、何日?」
「どうして今になってまた。魔族に誕生日の概念は薄いのも覚えてますよね?
俺もこのとおり、あまり興味がなくて。おぼろげにしか把握してないんですよ」
冷静に必死で話の流れを止めようとする。
まさか色々事情があるとはいえ、それだけではなく本当に忘れてしまったとは言いにくい。
「それも知ってる、覚えてるー。
でもさー、そんだけ完璧にはぐらかされると逆に気になるじゃん。」
「いや、だから・・・えぇっと、ほんとに・・・」
じっと見つめる瞳にくらくらするが、覚えていないものは答えようがない。
何かいい方法はないだろうか。
「よーし!そっちがその気なら!決めたぞ!」
どうゆう気なんだ俺は。何を決めたんだユーリ。
「コンラッドが教えてくれるまで、7月が始まって終わるまで
毎日コンラッドに『誕生日おめでとう』って言ってやるからな!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・。」
***********************************
7月1日(火)
「おはよー!誕生日おめでとう、コンラッド!」
「ありがとうございます」
7月2日(水)
「はよっ!ハッピーバースデー、名付け親v」
「ありがとうございます・・・」
7月3日(木)
「ぐっもーにん!お誕生日おめでとうウェラー卿」
「ウェラー卿は勘弁してください、ユーリ」
7月4日(金)
「おはよう、爽やか好青年!100・・何歳?おめでとうっ!」
「何歳ですかねえ、今日は。ありがとう」
7月5日(土)
「おはよっ!今日もおめでとう!」
「おはようございます、ありがとうございます」
7月6日(日)
「お、は、よー!7月生まれを祝福しに来ましたー!」
「祝福されましたー」
7月7日(月)
「おはよう!コンラッド、誕生日おめでとう!」
「ありがとうございます。・・ほんとうに毎日言ってくれるんですね(苦笑)」
「あんたがほんとの誕生日教えてくんないからだろ?
なー、ほんとに覚えてないとか?まさかなー?」
そのまさかです。
でも、思い出したとしても、どうかな。
ユーリがこうやって毎日祝福してくれるんなら、このままでもいいかなー、
なんて思っちゃってるんですが。
うーん、明日は何て言おう、ハッピーバースデー次男!とか?
ヴォルフのおにいちゃーん、とか?
くるくる考える姿が愛らしい。
このまま祝われつづけると何歳になってしまうんだろう。
100も越えた身で今更20歳増えようが30歳増えようがさして変わりはしないけれど。
7月8日(火)
「お、は、よ(囁)。ハッピーバースデー、コンラートv」
「・・・耳元は反則です、ユーリ・・・・」
(中略)
結局毎日「おめでとう」攻撃は続いた。
ありがたいことに毎日バリエーションは違っていた。
いつしかお互いに「誕生日を言わせよう、教えよう」という名目を忘れて
今日は何を言おう、どんなふうに返そう、と思いながら朝を迎えていた。
7月29日(火)
この日だけは。
ドアを開ける音を合図に。
「おはよー!こんらっど、
「ハッピーバースデー、ユーリ」
ありったけの気持ちを込めて、誰より先に。
*******************************************
「で、結局あんたの誕生日って、いつ?」
この質問は、来年に持ち越し、ですね。
******************************
ユーリはっぴばSSでしたー。
無駄に長くなった気が・・;
次男視点で書くのはめったにないかも・・・。
最後がまとまりないですが、オチがうまいこと見つからなかったです;
あああ!恥ずかしい!甘い!人様の観る、読むのは全然大丈夫なんですが!
さてさてコンユめぐりしてきます・・・はっぴば陛下!はっぴば名づけ親!
by pontika
| 2008-07-29 22:30
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